認め合う女と男とのパートナーフォーラム

7月4日、米原市人権総合センターにて、「認め合う女(ひと)と男(ひと)とのパートナーフォーラム」が開催されました。テーマは「ワークライフバランスの実現に向けて」~家庭・職場・地域で求められる新たな視点と実践力~、講師は東京未来大学教授・石阪督規さんです。フェイスブックの講師の先生、石坂と書いていて今間違いに気づきました。失礼をお詫びいたします。

講演の後、「地域に生かす女性力」ということで、市内で活躍されている3人の女性とのパネルディスカッションがありました。

 

フォーラム終了後の16時、1年中で一番日没時間が遅い時期とはいえ、少し夕食の支度が気になる頃、講師の石阪先生、市長、教育長を囲み、会員との懇談会です。講演やパネルディスカッションの内容から、自由な意見の語らいの場でした。石阪先生の「介護が必要になったとき、誰にみてもらいたいと思っているか?」会員の年齢層は、私より数年上の方が多いのですが、幸いなことに皆さん、夫の両親と同居の生活なのにもかかわらず、偶然なのか?介護を経験しておられない方ばかりなのです。これは職業柄ですが、多くの介護する人、される人のただなかにいて、また自らも当事者でいてその悲喜こもごもな状況、さては地獄のような修羅場も見てきた私とは温度差が違う、違う。障がいの方たちのことも含めて、自分がいかにスペシャルな世界に生きていることがよくわかりました。

 

こういったフォーラムに参加する市民の皆さんは、地域の抱える課題のただなかである当事者であることはまずないのです。地元で堅実に就職された長男の家族は敷地内か近隣で生活していて、自身は経済的には余裕があり、趣味や地域活動をされています。石阪先生の言われていた東京の足立区の中学生の就学援助率40%台、300年後に日本の人口は一けたになる、衝撃の数字ですがどこの話?。全員結婚時代、高度経済成長のただなかにいた団塊の世代前後の人々にはピンと来ないのでしょうか?2025年問題はすぐそこまで来ていますが、「介護が必要になったら手塩にかけて育てた子どもたちがみてくれる、施設などにはやられまいと思う」「親の背中を見て子は育つ」と言えるのは米原市は、やはりそれだけ何度も石阪先生が強調されていた、「人が温かく、子育てしやすいまち」だということでしょうね。

 

パネラーは、子育て世代でいて、女性で起業されている方、大手の企業の管理職の方、米原市唯一の女性自治会長さんでした。講演の中でもあった結婚の条件の高収入、高学歴(昔の三高)は現在は言葉を変えているだけで、本質は変わっていない)の相手を見つけるには、自分も高学歴、高収入であるほど出会いのチャンスに恵まれます。そのためには親が裕福で教育に投資できる力が必要です。貧困な若者にはまずその機会がない。パネラーの企業管理職の方は、失われた10年といわれる世代の少し上の方でしょうか?就職氷河期のロスジェネ世代は、百社、二百社当たり前、受けても受けても会社に入れなかった世代です。新卒時に就職できなかった人たちはその後も正規雇用の機会にとても不利な状況にあります。管理職に登用されるなど、稀有な話です。若い起業家の方は、収入は赤字でもなく、黒字でもなくと言われていました。すなわち生活の糧を得ることが目的ではないように思いました。居場所、仲間づくりの方が主体でしょうか。

 

そんなわけで、少し本質が掘り下げられていないように思いました。まちづくり協働提案事業で、米原から出て行った若者たち(主に教え子)を呼び戻すためにアートフェスティバルのような芸術活動を盛んにしようという事業をされていますが、県外大学進学組はまず、地元に帰ってきません。集落内でも、もう10年以上も子どもが生まれていない隣組があります。また、小学生が下校する時間帯に通りに人が誰もいない集落もあります。インフラが比較的整っている米原市は近隣の都市部への通勤、通学が便利なので子育て支援を手厚くして、転入される若い世帯が増えて、このまちで子どもが育って帰ってきますようにと思います。